先日、お客様からのご依頼で、雪で破損してしまったオーニングの修理に行ってきました。
常磐テント商会には、こうした以前購入したオーニングやテントの修理、張り替えなどのご依頼を良く頂きます。
今回のこのお客様には、弊社の若手のホープ、ノブさんが担当したのですが、このお客様のオーニングを覗き込んで、一言、
「知らないテントだ」とポツリ。
実は、オーニングの修理や張り替えなどのご依頼を頂くのですが、半数は、ご自身で別のところや、ホームセンターや通販などで、“格安”のオーニングだったりします。
実際に、現場の状況を拝見させて頂き、対応可能なものについてはお受けしますが、どうしても格安モノで、その素材や部品などが調達できないものに関しては、常磐テントで用意している新しいオーニングの設置をご提案差し上げています。
確かに、最近ではホームセンターや通販などでも購入可能なのですが、保証が付いていなかったり、設置工事やアフターケアもなく、全部自分でやらなければいけない、と言うものがほとんどです。
そう言うものに限って、壊れるのが早かったりします。
そして、その修理を、と思った時に、販売店やメーカーは対応してくれないので、回り回って、検索などされて、常磐テント商会にいらっしゃるのです。
いわば、「オーニングの駆け込み寺」状態になっていますね。
オーニングは、しっかりとメーカー保証や販売店(施工業者)のアフターケアがしっかりしているところから購入されることをオススメします。
もちろん、常磐テント商会は、その両方が揃っていますので、お客様の満足度はいつも高く、おかげさまでご好評頂いております。
上のお写真、恐らく、素人目には分かりづらいと思うのですが、実は、これ、部品が上下逆さまに付いているのです。
オーニングと言うのは、キャンバス(幕材)を巻取るパイプが通っていて、それで出し入れをしています。
この巻取りパイプは、左右にあるエンドブラケットと言う装置で回転して、幕材を巻き取る仕組みになっています。
このオーニングは、幅が10mあるのですが、こうした大型のオーニング場合は、通常の仕組みだけでは動きません。
巻取りパイプは、両端二点で支えているわけですが、大型の場合、真ん中がたわんでしまいます。
このまわみを補う為に、「巻取りサポート」または「中受け」と言う部品で、下から上に支えるようにします。
ところが、写真の「巻き取りサポート」の部品が、下から支えるべきものが、上から付いているのです。
なぜ、このような問題が起きたのでしょうか?
実は、このお客様にお話を聞いたところ、雪の降った日にオーニングを巻き取らずに出しっ放しにしてしまい、その雪が積もったままの状態で、キャンバスを巻き取ったため、破損し、巻き取りサポートがおかしな位置になってしまったのです。
そして、無理に巻き取ってしまったため、キャンバスの破断だけではなく、オーニング全体にもダメージが入ってしまいました。
実は、ノブさんが「知らないテント」と言ったのが、この状態のオーニングで、「知らない」と言うより、「分からない」、「手のつけようがない」と言った方が正解だったかもしれません。
通常の使い方をしていれば、こうした状況にはならないからです。
でも、お客様が、雪が乗った状態で巻き取ってはいけないと知らなければ、そうしてしまいますよね。
私たちの常識が、お客様にも常識であることはない、と改めて思いました。
もっと、お客様に使い方をお伝えしていかなければと思いました。
結局、このお客様のオーニングは、キャンバスが破損してしまっていたので、新たに作り直しとなりました。
ここからは、常磐テント商会の工房での作業になります。
まずは、キャンバス生地の原反を広げて裁断をします。大型なので、工房内いっぱい使って裁断します。
裁断した生地を、今度は、特別な工業縫製用のミシン(高周波ウエルダー)を使って縫製をします。
完成したキャンバス生地を、元のオーニングのフレームに張り替えます。
常磐テントでは、縫製から取り付けまで、一貫して行なっています。
そして。完成です。
今までの色と変えてスッキリ、雰囲気もシックに落ち着いた雰囲気になりました。
オーニングは、お店の看板にもなりますので、やっぱり新しくて綺麗なものがいいですね。お客様への印象も全然違ってきます。
こんな感じで、常磐テントでは、オーニングの張り替えを全て自社で行っています。
もちろん、弊社で行なったものについては、アフターケアもしっかりと行います。
もし、古いオーニングのまま、壊れたままでお使いなのであれば、張り替えをオススメします。