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【オーニングの歴史】その起源は古代ローマから?

私たちが普段製作しているオーニング。

オーニング(awning)とは、英語で「日よけ」、「雨よけ」のことを指します。

日本では、建物の外側に設置して、ひざしを調節したり、雨をよけたりする機能をもつ可動式テントのことを、オーニングと呼んでいます。

 

さて、その起源はいつなのでしょう?

今日はちょっとだけオーニングの歴史についてお話させて下さい。

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その起源は古く、古代エジプト・シリア文明にまでさかのぼります。

当時は”不織布マット”と呼び、市場や家庭の日よけとして使用されていたそうです。

古代の世界において最も注目すべきオーニングは、かの有名な古代ローマ円形闘技場「コロッセウム」で使われていた、ヴェラリウム(velarium)と呼ばれる大規模で複雑な構造のオーニングです。

ヴェラリウム
引用:Kulisy Trójki

長径188m 短径156m の楕円形、高さは48m、45,000人を収容するというとても大きなコロッセウムで使用されていました。

天井部分は開放されていましたが、このヴェラリウムで皇帝席には一日中直射日光が当たらないように設計されており、一般の観客席についても一日に20分以上日光が当たらないように工夫がなされていたそうです。

コロッセウム
引用:Kulisy Trójki

 

この時から人々は「日よけ」のある生活をしていたんですね。

それにしても見るからに複雑な構造。当時のローマ文明ってかなり進んでいたんですね(*_*)。

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その後、今の形に近いオーニングは、一般的には19世紀初頭、広く使われるようになります。

当時オーニングの骨組みとして使われていたのは、木や鋳鉄(ちゅうてつ)などでした。

この頃の写真を見ると、単に骨組みだけが映っており、必要なときにだけキャンバスを伸ばしていた様子がうかがえます。

現代の可動式オーニングの先駆けかもしれませんね。

この時よく使われていたキャンバスは、”キャンバスダック”という薄手のキャンバス。

綿密に織り込まれて丈夫なため、何世紀にも渡ってテントや帆を製作するために使用されてきました。

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オーニングがさらに一般的になったのは、アメリカの南北戦争の数年後です。戦時中使われた鉄の配管はオーニングのフレームとして改造され、利用しやすく手ごろだったため、19世紀半ばに起こった産業化の結果として、幅広く利用されることになったのです。

この鉄の配管は曲げやすく、加工がしやすかったので、オーニングフレームを作るのに最適な素材でした。

そのため、様々な形やサイズのオーニングが誕生しました。

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時を同じくして、汽船が登場し、それまで主流だった帆船に変わっ台頭していきます。これにより、それまで帆船の帆を作っていたキャンバス工場や、帆布職人たちは、新たな市場を探さざるをえなくなります。

その結果、彼らは新たな市場として、お店先や窓に適合するオーニングフレームとキャンバスを配列することを提案し、オーニング産業が発達していったのです。

 

その後、19世紀後半に入り、製品化された可動式のオーニングは人気を博していきます。

この、可動式オーニングの多くは、固定されたフレームが付いており、初期のキャンバスを収納する方法としては手で巻き上げるのが主流でしたが、簡単なロープや滑車などを利用し、キャンバスの出し入れができるように工夫されていきます。

そして、急な天候の変化などに対応できるようにハンドルやキャンバスの改良を重ねていき、今の形になりました。

 

 

そんなオーニングが日本の市場に登場したのは1970年代。

宮帆實業株式会社(現在は株式会社ミヤハン)がフランスから商品を輸入したことからその歴史が始まります。

オーニングが日本に輸入されるまでは、可動式巻上げテントしかありませんでした。

 

この可動式巻上げテントですが、両サイドからアームが出ているため、下を通過するときに人に当たってしまったり、ちょっと邪魔で危険でした。

しかも、昔は現在のような鉄パイプのフレームではなく、竹を加工してフレームを作っていたそうです。

余談ですが、常磐テントでも当時竹でフレームを製作していて、その当時はトラックを持っていなかったため、2人別々に乗った自転車で、竹で作ったパイプを運んでいたのだとか^^;

チームワークが必要ですね!

 

さて、可動式巻上げテントに代わりシェアを占めていった水平アーム型の現在の形のオーニングですが、最初は商店での使用を中心に市場が形成されていき、まもなく電動タイプも現れました。

 

1985年頃には現在の市場において主要なオーニングメーカーがほぼ参入し、徐々に普及の幅を広げていきました。1990年代に入ると、バブル経済崩壊と連動して一時期伸長した商業施設向けの需要は落ちつき、オーニング市場は安定期に入りました。

最近の傾向としては、商業施設だけでなく、自宅のウッドデッキ用や、節電対策として利用する家庭が年々増えてきており、人々のオーニングに対する関心は増加傾向にあります。

 

 

斜め面

 

 

いかがでしょうか。少し長くなりましたが、オーニングの歴史について少しは分かっていただけたでしょうか?

 

太古の昔から存在する太陽とうまく暮らしていくために必然的に発明された日よけ。

それは現代にとっても「日を除ける」という非常にシンプルな機能のものでありながら、私たちの生活に無くてはならないものです。

 

最近では単に日よけとしての機能にとどまらず、さまざまなメリットをもたらしてくれるオーニング。

皆さんに、少しでも関心を持っていただけたら幸いです♪

 

最後まで読んでいただきどうもありがとうございました!

 

【参考資料】

・青森県テント・シート工業組合 http://www.jongara-net.or.jp/~tentsheet/

・Wikipedia “awning” http://en.wikipedia.org/wiki/Awning

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